潜入恋愛 ~研修社員は副社長!?~
あの自動車事故のことはどうなったんだろう、と身を乗り出す。
彼はまさか…と呟くと天井を見上げ、「あの人、お喋りだな」と呆れ返った。
「事故を起こした社員が、残業続きだったって検証時に言ったんでしょ。山下部長、そうなると労働監督局が動くかもしれないって言ってたの。事故で怪我した人もいるって聞いたし、そういう人たちの対応も全部尚行さんがやったの?」
どうなったの?…と声をかけると、彼は小さく溜息を吐く。
「正しいのは一部で、他は違うな。それに、あの社員が検証で言ったのは、自分を正当化する為の嘘で、労働局は全く動いたりもしてないよ。
あいつは自分が前の晩に徹夜で麻雀をしていて寝不足だっただけだ。でも、人を怪我させたことは事実だし、その謝罪をするのは、上役の務めだから仕方ない。
真摯に頭を下げて相手を労い、弊社としても完治するまでは治療費を全面的に持ちます…と言って回っただけ」
「大変そう…」
「ああ、おかげで香純の仕事が少し手伝えなかった」
「私の仕事はどうでもいいのよ。それよりも、もう大丈夫なの?」
彼はまさか…と呟くと天井を見上げ、「あの人、お喋りだな」と呆れ返った。
「事故を起こした社員が、残業続きだったって検証時に言ったんでしょ。山下部長、そうなると労働監督局が動くかもしれないって言ってたの。事故で怪我した人もいるって聞いたし、そういう人たちの対応も全部尚行さんがやったの?」
どうなったの?…と声をかけると、彼は小さく溜息を吐く。
「正しいのは一部で、他は違うな。それに、あの社員が検証で言ったのは、自分を正当化する為の嘘で、労働局は全く動いたりもしてないよ。
あいつは自分が前の晩に徹夜で麻雀をしていて寝不足だっただけだ。でも、人を怪我させたことは事実だし、その謝罪をするのは、上役の務めだから仕方ない。
真摯に頭を下げて相手を労い、弊社としても完治するまでは治療費を全面的に持ちます…と言って回っただけ」
「大変そう…」
「ああ、おかげで香純の仕事が少し手伝えなかった」
「私の仕事はどうでもいいのよ。それよりも、もう大丈夫なの?」