潜入恋愛 ～研修社員は副社長！？～

カタは着いたの？と問うと、まあな…と答えるからホッとする。
大きな訴訟とかにもならず、円満に解決へと向かってるみたいだ。


「それよりも」


尚行さんはホッとしてる私に向かい、その事よりも大事なお願いがある、と言いだす。
すごく真面目な顔でこっちを見つめてくるから、私はまた何事？と眉間に皺を寄せた。


尚行さんは、真顔のままで私と向かい合った。
こっちがゴクッと喉を鳴らしそうになっているのを見て意地悪そうに微笑み、口角を上げながら告げだした。


「香純と付き合うことになったら、祖父に会わせると約束してるんだ。この間、カフェで話をしている時に電話が掛かってきたことがあっただろ。あの時、丁度祖父の誕生日でさ、俺がふざけてなくて真剣なら、いい進展があったら報告してこい、と言われたんだよな」