潜入恋愛 ~研修社員は副社長!?~
「今日は暑いね。初日だし、お客さんも結構多いし」
君、頑張ってたね、と微笑まれ、かぁっと頰が熱くなるのを感じながら「見てたんですか?」と訊き返す。
「見てたって言うか、聞いてた。一生懸命喋ってんなと思いながら」
君の熱意は伝わってきたよ、と話す相手に対し、またしても顔面の温度が上がり、目線を背けながら俯いた。
「は…初めての見本市参加で、少しテンションが上がり過ぎちゃって」
恥ずかしい…と思いつつ肩を竦ませると、その人は自分のポケットから名刺を取り出し、はい…と言いながら私の方へと近付いてくる。
「俺、マルハ食品で営業をしている嘉多山智司。以後、いろいろと宜しく」
「あ…私はハピネス・マザーズフードの百瀬香純と言います」
自分の名刺を慌てて取り出し、お互いに交換し合って微笑む。
智司は茶色に染めた髪の毛にパーマをかけ、一見チャラそうに見えたけど、根は真面目なのかも…と窺えた。
私達はその後、何度か同じ様な見本市で顔を合わせた。
会うと智司は必ず私に声をかけてきてくれて、人懐こい人だな、と感心させられていた。
君、頑張ってたね、と微笑まれ、かぁっと頰が熱くなるのを感じながら「見てたんですか?」と訊き返す。
「見てたって言うか、聞いてた。一生懸命喋ってんなと思いながら」
君の熱意は伝わってきたよ、と話す相手に対し、またしても顔面の温度が上がり、目線を背けながら俯いた。
「は…初めての見本市参加で、少しテンションが上がり過ぎちゃって」
恥ずかしい…と思いつつ肩を竦ませると、その人は自分のポケットから名刺を取り出し、はい…と言いながら私の方へと近付いてくる。
「俺、マルハ食品で営業をしている嘉多山智司。以後、いろいろと宜しく」
「あ…私はハピネス・マザーズフードの百瀬香純と言います」
自分の名刺を慌てて取り出し、お互いに交換し合って微笑む。
智司は茶色に染めた髪の毛にパーマをかけ、一見チャラそうに見えたけど、根は真面目なのかも…と窺えた。
私達はその後、何度か同じ様な見本市で顔を合わせた。
会うと智司は必ず私に声をかけてきてくれて、人懐こい人だな、と感心させられていた。