潜入恋愛 ~研修社員は副社長!?~
「お前はいつから先生と知り合いになったんだ」


詰問する様な感じの言い方に尚行さんは若干肩を竦めて。


「知り合いも何も、今初めてお会いしたところですよ。それに俺も、彼女がお祖父さんの主治医の娘だとは知らなかったんです。此処へ来て、ついさっきそれを知ったばかり。
…いやあ、世の中って、何処で誰と誰が繋がってるかは分からないもんですね。だから、彼女のことをもっと聞かせて頂きたいと思って、中へ入るようお勧めしたんです。
お祖父さんも興味があるかなぁ…と思ったから。是非一緒に聞いてみるといいんじゃないのかな…と思いまして」


絶対にこの状況を彼は楽しんでいる。
そうとしか思えない。


(私は緊張で胸がバクバク鳴ってるのにっ!)


お母さん、あんまり余計なこと言わないでよ…と目線を向け直す。

ニコニコ顔でいる母は、彼の祖母が戻ってこられたら話しましょうね…と頷き、そして、私は自分でも知らなかった親の溺愛に、気付かされることになっていくんだ__。


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