潜入恋愛 ~研修社員は副社長!?~
「えっ…」

「だから、香純とはいずれ一緒になりたい、と言ってるんだ」


ハッキリ言葉にすると急に顔を赤く染める彼。
それを見たら私の方まで顔の温度が急上昇して、バックンバックンと耳鳴りのような心音が聞こえだした。


「……!」


何か言おうにも、声が喉声が張り付いてる感じがして出てこない。
口腔内も乾いてるし、唇は半開きのまま、唖然として息もし難い。


早い…と頭の中では思ってるけど、混乱もしてる。

だけど、真剣そのものの彼を見ると、真面目に告白してくれているんだと思い、何か返事を…と思うけど、どうしても発声が出来なくて。


そのうち、近付いてきた唇がそっと触れ、チュッ…と可愛いリップ音を立てて離れていく。

彼の照れくさそうな顔と熱を帯びた眼差しに見入られると、何も返事をしなくても自分の気持ちは伝わってる様な気もして、そのまま、また近付いてくる唇に目を伏せ、吐息と共に重なる熱いキスを受け止めた。


初めてキスをした時の様な、鮮明な感触にゾクッと背筋が熱くなる。
それが重なった掌の温度と一緒に全身へ広がり、温かいものに満たされながら、何度も深いキスを繰り返した。


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