潜入恋愛 ～研修社員は副社長！？～

「何よ」


母はつっけんどんな物言いで私に目線を移し、惚気とかなら聞かないからね、と言ってくる。


「誰がそんなこと…」


言う訳ないでしょ、と怒って答え、頭を切り替えて、明日のことなんだけど…と提案した。


母は、私の提案をキョトンとしたまま聞いてた。
話し終わると複雑そうな表情になり、少し考え込んでるみたいだったけど＿＿。


「……香純がしたいようにすればいいわ。私はただ、後をフォローすればいいだけよね」


了解、と手を上げ承諾したのを確認し、こっちは、ん…と頷いてホッとする。

頭の中で、明日、地方から父が到着すればどんな顔をするのか、そして、その後どんな風になるのかを空想し、かなり不安にもなってしまったけど……。


この先、いずれそういう日も少なからずある筈だから、それが早いか遅いかだけの差よね、と観念し、とにかく全てが丸く収まってくれるように…と心底願い、全てを託そうと気持ちを新たに引き締め直した＿＿。