潜入恋愛 ~研修社員は副社長!?~
午前十一時半着の便で到着すると聞いた通り、香純の父は到着口へとやって来た。
ゲートを抜け、辺りをキョロキョロと見回している相手を確かめて近づくと……
「君は…」
余程意外だったのか、目を丸くしたまま固まる。俺はそんな相手に頭を下げ、「お迎えに来ました」と理りを言った。
「香純さんにお願いされました」
ご自宅まで送ります、と言うと眉間に皺を寄せられ、少し無言になって不機嫌そうな顔つきだったけれど。
「……すみません、娘が要らないことを頼んで」
此処まで来て貰っているのに、送りは不要だとか言えないと判断したんだろう。
ぶすっとしながらも歩き出した俺の後ろについて来られ、こっちは妙に違和感を覚えながら駐車場に停めておいた車のドアを開け、「どうぞ」と中へ手招いた。
「どうも」
ぺこっと頭を下げた相手は手提げバッグを後部座席に入れ込み、最初はそのままシートに座ろうとしたんだが。
「前に座ってもいいかな」
何かを思いついたように顔を上げたから驚き、ええ…と目を見開いて頷く。
ゲートを抜け、辺りをキョロキョロと見回している相手を確かめて近づくと……
「君は…」
余程意外だったのか、目を丸くしたまま固まる。俺はそんな相手に頭を下げ、「お迎えに来ました」と理りを言った。
「香純さんにお願いされました」
ご自宅まで送ります、と言うと眉間に皺を寄せられ、少し無言になって不機嫌そうな顔つきだったけれど。
「……すみません、娘が要らないことを頼んで」
此処まで来て貰っているのに、送りは不要だとか言えないと判断したんだろう。
ぶすっとしながらも歩き出した俺の後ろについて来られ、こっちは妙に違和感を覚えながら駐車場に停めておいた車のドアを開け、「どうぞ」と中へ手招いた。
「どうも」
ぺこっと頭を下げた相手は手提げバッグを後部座席に入れ込み、最初はそのままシートに座ろうとしたんだが。
「前に座ってもいいかな」
何かを思いついたように顔を上げたから驚き、ええ…と目を見開いて頷く。