潜入恋愛 ~研修社員は副社長!?~
熱に蕩けさせて…
車を走らせると香純は若干心配そうな眼差しでサイドミラーを覗き込み、「あれで大丈夫かな」と囁く。
チラリと運転席から目を配ると、彼女の横顔は清々した様子で、「話し合えばいいけど」とブツブツ独り言を言っている。
「…それはまあ、お母さんがじっくり話そうと言っていたし、何とか纏まるんじゃないのか?」
多分、父親の方が圧倒されて負けそうだな…と俺は思うが、香純の方はうん…と頷きながらも考えが違うらしく。
「お母さん、素直になって、一緒に暮らす方向で考えを変えてくれればいいんだけど」
「え?」
「多分、ずっと一緒に住みたかったのは、お父さんじゃなくてお母さんの方だから」
だけど自分が母親の枷になり、家を離れにくかったのではないか…と予想している。
「お母さんは、お父さんに私の養育を任されてきたようなものだから。
私がちゃんと成長して、自立が出来ていると確認するのが、自分の務めだと信じてたんだろうと思うの。
それで今日は、頑張って料理を作って見せて、私はもう大丈夫だ、とアピールしたかったんだ。
チラリと運転席から目を配ると、彼女の横顔は清々した様子で、「話し合えばいいけど」とブツブツ独り言を言っている。
「…それはまあ、お母さんがじっくり話そうと言っていたし、何とか纏まるんじゃないのか?」
多分、父親の方が圧倒されて負けそうだな…と俺は思うが、香純の方はうん…と頷きながらも考えが違うらしく。
「お母さん、素直になって、一緒に暮らす方向で考えを変えてくれればいいんだけど」
「え?」
「多分、ずっと一緒に住みたかったのは、お父さんじゃなくてお母さんの方だから」
だけど自分が母親の枷になり、家を離れにくかったのではないか…と予想している。
「お母さんは、お父さんに私の養育を任されてきたようなものだから。
私がちゃんと成長して、自立が出来ていると確認するのが、自分の務めだと信じてたんだろうと思うの。
それで今日は、頑張って料理を作って見せて、私はもう大丈夫だ、とアピールしたかったんだ。