潜入恋愛 ~研修社員は副社長!?~
「この人、自分のオフィスに仕事を手伝ってくれる人がいないのか?」


いればこんなに遅くなる訳がないか…と考え始め、それで前担当者は仕事を間に合わせることが出来なかったのか…と思い知った。


うちの発注数に生産を間に合わせようとすると、こうした事態が引き起こってしまうということを前担当者も十分分かっていたんだ。


「それなのに、それを承知で彼女はこうして毎月遅くまで残っている」


何だか申し訳ない気持ちと感謝の思いで胸が一瞬熱くなる。
せめて、その努力に見合う品物でもいいから送りたいと考えだし、自分の秘書が好きだと言っていたスイーツを手始めに送ってみた。



『美味しいチョコレートを頂きまして、ありがとうございました。』


仕事の合間に喜んで食べてます…とメールがあったのは、送った翌日のことだ。

何にしても対応が速いなとまた感心し、それ以降、ほぼ毎月のようにスイーツを送るのが習慣になった。


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