潜入恋愛 ～研修社員は副社長！？～
しかし、見た目だけで人は判断できない。
一度ちゃんと話をしてみて、その人となりを観察してみたいと思った俺は、意を決して彼女を食事に誘うことにしてみた。


ところが、そこで思わぬことに彼女の失恋話を聞かされる羽目になった。

彼女が必死で働いてる間に男が別の女を作ってしまったような感じで、俺は少し気の毒な気がしてしまったが＿＿。




「ごめんなさい……」


謝る彼女は忘れていいから、と微笑む。
酔っ払いの戯言だと言いながら無理して日本酒を飲み、その傷心の深さを更に深めようとして、また注文を繰り返そうとしていた。


彼女の手を止めたのは、これ以上自分を痛め付けないで欲しいと思う気持ちからだ。

しかし、飲み足らなかった彼女は、俺のビールを一気に飲んで完全に酔っ払ってしまった＿＿＿。




「やれやれ…」


定時連絡の後、ホテルのベッドに腰を下ろして眠り込んでいる相手の方を見遣る。
スースーと規則正しい寝息を立てている人は、今ここで俺が手を出したりしたらどんな反応を示すのだろうか…と思い、近寄った。



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