潜入恋愛 ~研修社員は副社長!?~
邪心
(思い返してみると、香純は最初から俺を煽ってたよな)
本人が聞いたら、「ええっ!?」と不服を感じそうなことを思い、つい、ふふっ…と笑いを漏らした。
「え?何ですか?」
どうしました?と側で笑い声を聞いた秘書の武田は振り返り、不思議そうな顔をして首を傾げてくる。
「ああ…いや」
何でもない、と答えながら目線を外す。
まさか自分の彼女のことを思い出して笑ったとも言えず、言葉を濁してその場をやり過ごそうとしたが……。
「この頃はご機嫌ですね」
武田はそう言うとデスクの下手から俺を覗き込むようにして見つめ、「何かありました?」と口角を上げながら訊ねてきた。
「え?いや別に」
焦りを隠しながら否定し、態とらしく手にした書類に目線を落とした。
武田にはまだ香純と付き合ってることを教えてない。
プライベートと仕事を分けたい俺は、自分が何故研修へ行くことにしたのかも明るみにはしていなかった。
(向こうも何も訊いてこないし、特に興味もないんだろ)
本人が聞いたら、「ええっ!?」と不服を感じそうなことを思い、つい、ふふっ…と笑いを漏らした。
「え?何ですか?」
どうしました?と側で笑い声を聞いた秘書の武田は振り返り、不思議そうな顔をして首を傾げてくる。
「ああ…いや」
何でもない、と答えながら目線を外す。
まさか自分の彼女のことを思い出して笑ったとも言えず、言葉を濁してその場をやり過ごそうとしたが……。
「この頃はご機嫌ですね」
武田はそう言うとデスクの下手から俺を覗き込むようにして見つめ、「何かありました?」と口角を上げながら訊ねてきた。
「え?いや別に」
焦りを隠しながら否定し、態とらしく手にした書類に目線を落とした。
武田にはまだ香純と付き合ってることを教えてない。
プライベートと仕事を分けたい俺は、自分が何故研修へ行くことにしたのかも明るみにはしていなかった。
(向こうも何も訊いてこないし、特に興味もないんだろ)