潜入恋愛 ～研修社員は副社長！？～
壁際にある姿見に映った自分の姿に呆然とする。
服も皺くちゃだが髪の毛もボサボサ。酷い格好に唖然とした。


（このままじゃ外に出れない…）


そもそも自分が何故此処にいるのか思い出せない時点でヤバい。
誰かが此処に連れてきたのか、はたまた酔った勢いで自分で此処までへやってきたのか。


（えーと、昨夜は…）


仕事が引けて彼と飲んで…と一連の出来事を思い浮かべる。
ぼうっと突っ立ったままあの事を思い出し、そうだ、あの所為で日本酒を頼んだ…と回想した。


（日本酒飲んだこともないのに頼んでこの有様？一体何やってんの？）


そう言えば飲んだ後、何をどうしたんだっけ？とこめかみを押さえて更に記憶を反芻。
うーん、と唸りながら目を瞑って考え込んでいると、ガチャとドアが開いて奥から人が現れた。


ビクッと背中を仰け反り、相手の顔を確かめる。
先ずは白いバスローブから伸びた腕が見え、それから頭の上にバスタオルを乗せた男性が、目を丸くしているのが見えた……。



「ああ…起きたんですか？」


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