潜入恋愛 ~研修社員は副社長!?~
研修社員の真実
部屋に帰って慌ててシャワーを浴びて着替えて出勤。
朝食も食べずに(食べる時間も食欲もないまま)デスクに着いたのは、始業時間の五分前。


「主任、今日はノンビリでしたねー」


新人社員にそんな言葉を言われていまい、ドキッとするやらビクッとして__。


「ね、寝過ごしちゃってね」


私でもそんな事があるのよー、と笑いながら誤魔化したけど、向かい側に座っている研修社員の彼の目線も気にかかる。


(あーもう、醜態晒しちゃって情けない…)


昨夜きっと言わなくてもいい事をあれこれ言ったに違いない。
失恋したことを愚痴って言うなんて、本当にどうかしている。


(越智さん、きっと呆れたよね)


どうかさっさと忘れてくれることを願うだけだ。
そして、今日こそは醜態を晒さずにシャキッと仕事をしてみせるだけ。


「あの…」

「ぎゃっ!」


つい大きな声を出してしまい、同じ島の社員たちが私の方へと視線を向ける。


「あ…ご、ごめんなさい」


オドオドしながら周りにも目線を配り、声を掛けてきた相手を振り返った。


「な、何でしょうか。越智さん」


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