潜入恋愛 ～研修社員は副社長！？～
結構重要な仕事だし、今朝も散々迷惑をかけているのに心苦しいな…と思いつつ頼んでみると、やることの出来た彼は何だか少し嬉しそうな表情を見せて。


「はい、分かりました」


どこを開けば確認できますか？とパソコンを指差し、私はああ…と言いながら電源を入れて起動を待つ。


「あの…」


その間、昨夜からのことをもう一度謝ろうかと思ったんだが、ふわっと香る匂いにビクッとして、何だか言葉にもならず。


「…え？何か？」


越智さんは長身の上半身を屈めて私の方へ顔を寄せてくる。
それが余りにも近いような感覚がしてしまい、ドキンと胸が跳ねて顔を背けてしまった。


「い、いえ、別に」


今はもう言うのは止そうと決めてパソコン画面に目線を向け直す。
程なくして起動が完了し、私は手順通りにシステムを開いてやり方を教えた。


「商品名と数量をきちんとよく見て確認して下さい。チェックが済んだらこの枠をクリックしてくれるとそれが工場へと発注されるシステムになってますから」


これで一つ自分がやるべき仕事が減ると思いつつ相手に説明を繰り返す。

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