潜入恋愛 ～研修社員は副社長！？～
いきなりそう言いだし、私は目を点にして、「は？」と声を上げた。


「…俺、実はずっと前から百瀬さんのことが気になっていて、ずっとどんな人かを知りたくて、今回のような機会を探して待ち望んでたんです」


真剣な顔つきで言いだす彼を凝視し、私はまたしても無言に変わり……。


「俺は、少なくとも貴女の元彼のように不誠実なことはしないと約束しますし、そもそも今は、もっと貴女という女性がどんな人かを深く知りたいと願っています」


決して冗談とかその場だけの勢いで話している訳ではありません…とまで付け加えられ、私は目を白黒させるしかなくて。


「で、でも、私……」


今はまだ貴方の指導係ですし…とどうでもいい事を持ちだし、それに会社の上得意の方と付き合うなんてとても畏れ多くて…と動揺を隠しきれずに断ろうとしたが。


「それなら別に気にしなくても構わない。俺はオフィスでは一介の研修社員として働きますし、外では彼氏として貴女に尽くすことを誓いますから」

「で、でも」

「百瀬さんは元彼には未練とかないんでしょう？」

「そりゃないけど」

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