潜入恋愛 ~研修社員は副社長!?~
それに、彼が自分のオフィスで営業に就いてるかどうかは私も知らないよ、と言うと納得もされ、そうですね、別の職種かもしれませんね、と呟いた。


「でも、だったら此処では営業二課を選択したんでしょう?」


ビクッとする様な声を漏らした彼女は、「あっ、昼休みがなくなる!」と思い出したように叫んで部署を飛び出す。


私はその背中を見送った後、手にしたメモ用紙をきゅっと握り直しながら、この紙に書かれてある内容が、楽しみでもあり恐怖でもあると思えて、今日のお昼はコンビニのおにぎりで済ませて、昼休みの間にさらりとこれを読み込んでしまおうと考えた。



コンビニで鮭おにぎりと野菜スムージーを買って席に戻った私は、直ぐにそれらを食べて越智さんの書いたメモを読み始めた。
彼の文字はとても丁寧で読み易く、書道でも習っていたんだろうか、と思えるくらいに整然と並んでいる。


その内容は、また新鮮な感じで驚きの連続だった。

コメントの書き方をこうしたらもっと読み易いと思う…と図入りで説明されていたり、細かいようですが…と遠慮をしつつも、フォントがもう少し大きい方が中年層にはいい…と書かれてあったり。

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