潜入恋愛 ~研修社員は副社長!?~
「久し振りだね」
感動しながら声をかけると、ネクタイを首から外した智司が目線を向け、「ああ」と低い声を返してくる。
「元気してた?」
仕事は忙しい?と質問を重ねると、ネクタイをバッグにしまった彼が「ああ」と返事し、私は少し不機嫌に変わる。
「疲れてるの?ごめんね、忙しいのに」
こっちも忙しさは同じなんだけど…と思いつつも自分から誘った手前、申し訳なく感じてしまう。
「いいよ。それよりも仕事、慣れたのか?」
ビールを注文した相手に便乗して、自分も小ジョッキを頼んで「うん」と頷いた。
「そうは言っても、忙しくて残業ばかりしてるけど」
今年入った新人社員が甘えん坊さんで…とグチを言いそうになり、まあ責任が重くなったから仕方ないけどね…と誤魔化した。
「主任なんて、やるもんじゃないね」
「よく言うよ。昇格が決まった時は、『私なんかでいいのかな』と喜び半分だったくせに」
「それは、こんなに責任が重くなるなんて思わなかったからよ。もっと単純に仕事が少し増える程度かなと思ってたの。こんなに残業する羽目になるのなら、主任なんて引き受けなければ良かった」
感動しながら声をかけると、ネクタイを首から外した智司が目線を向け、「ああ」と低い声を返してくる。
「元気してた?」
仕事は忙しい?と質問を重ねると、ネクタイをバッグにしまった彼が「ああ」と返事し、私は少し不機嫌に変わる。
「疲れてるの?ごめんね、忙しいのに」
こっちも忙しさは同じなんだけど…と思いつつも自分から誘った手前、申し訳なく感じてしまう。
「いいよ。それよりも仕事、慣れたのか?」
ビールを注文した相手に便乗して、自分も小ジョッキを頼んで「うん」と頷いた。
「そうは言っても、忙しくて残業ばかりしてるけど」
今年入った新人社員が甘えん坊さんで…とグチを言いそうになり、まあ責任が重くなったから仕方ないけどね…と誤魔化した。
「主任なんて、やるもんじゃないね」
「よく言うよ。昇格が決まった時は、『私なんかでいいのかな』と喜び半分だったくせに」
「それは、こんなに責任が重くなるなんて思わなかったからよ。もっと単純に仕事が少し増える程度かなと思ってたの。こんなに残業する羽目になるのなら、主任なんて引き受けなければ良かった」