恋の野戦病院/特殊部隊の女Ⅰ 「土下座エモン~蕗子~」
「恋愛は介護じゃない」
ウチにね、おばあちゃんがいるんです。
家族で介護をしているんですが。

私ね、妹がいるんです。
ヘビメタミュージッシャンを目指している上の妹と、超理数系の下の妹。
でね。ウフフ。
やっぱり、三姉妹ですから。
集まれば…恋愛の話になるじゃないですか。
「ねーねー、おねえちゃんは、恋愛に、どんなものを求めるの」って聞かれて。
いろいろ、話したんです。
彼の為にやってあげたいコトとか、こういうタイプだったら、こういうことが必要なんじゃないかとか…。食事の栄養素とか、体質に合わせた生活とか…。
「根気強く、優しく…」と、頬を赤らめて、もじりんもじりんしながら言いかけたとこで、妹達が、
「あのさぁ、おねえちゃん、恋愛って、介護じゃないんだよ」
って言うんですよ。
…知ってますよ、そんくらい。

でもね。
私、最初っからそれでありますよ。
大学の時の、その、私が土下座技術を研鑽するキッカケとなったカレ…、んー、N君と致しましょう。
N君は、カンタンに言うと。今思うと、精神的に未熟なひとだったんだと。
まあ、まるで思春期。
自宅に居場所がないとか(そんなことはない)。
勉強についていけないとか(それは本当)。
自分のやりたいことはわからないけど、ビッグになる自信はある、とか。ま、何もやってないという点で可能性は0じゃないという程度ですけど。
いろんなものの不満分を、全部、、蕗に求めて来た。
ま、寒い場所ですし、私もね、その、初めてお付き合いをしたわけですから…ま、やぶさかではない。といいいますか。私、努力と忍耐には自信があるので、結構いい仕事しますです、ハイ。






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