恋の野戦病院/特殊部隊の女Ⅰ 「土下座エモン~蕗子~」
そして。
三人目の彼。
彼は、地元に戻ってから入った東洋医学の治療関係の専門学校の同級生でした。
空手家で、不器用で、傍若無人で、個性も体も強くて…、いつも巨大なリュックをしょって、シャカシャカ音がするウィンドブレーカーで街中歩っていました。
「はっはっはっーーーーーー」って。
「少年アシベ」というマンガが昔あって。
あれに出てくるKYな体育教師。あれにそっくりでした。
私、そんな逞しい彼を好きになったんです。
でもね。
彼は強いから…人の弱さとか、そういうのに無頓着で、分からないんです。
おおらかなんじゃなくて、無神経なんです。
例えば…、私が友人からとても辛い話の相談を受けて、私一人ではどうする事も出来なくて、アドバイス求めますよね、私が泣きながら話して…最後に彼は、
「いやーーふきちゃん、まるで女みのもんただねーーー。ハッハッハー」
オイ。
または、膝や腰を痛めて治療に来たおばあちゃんに、
「痛い痛いってばっかり言ってちゃダメだ、治す気ないんだろう」とか言っちゃうんですよ。
オイオイ。
彼が住む街(新幹線で3時間程度)まで会いに行ったんです。
車でドライブする事になっていて。
その時、私、夜中に起きてお弁当作ったんですよ。
私ベジタリアンなんで、野菜中心なんですけど。
彼は限りなく肉食人種なんですね。
で、がさがさっと1/3くらいかっこんで。
あとは…「ゴミになるから」って言われて…立ち寄ったコンビニのゴミ箱に捨てられました。
ちょっと、泣きそうになりました。

こう、何事にも大づかみで・・・。
「好きな食べ物は、何ですか」という質問したとしますよね。
大抵、「ラーメン」とか「カレー」とか「お寿司」とか。
彼は、「丼全般」・・・。
で。そんな大好きな丼モノを、もう飯粒飛び散らかして食べるもんですから。
正面向いて座ってる私の顔にも…コメ、飛んでくるです。
ねえ(笑)絵に描いたように硬派でしょ。
まるで一人魁・男塾…。
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