命令恋愛
「なに言ってんの。そんなんじゃないし」


ゲームをする回数は確かに減っていたけれど、1日1回は起動している。


チヒロが今どのくらいまでゲームを進めているのかも気になるし、完全にやめたワケじゃなかった。


「いいなぁ彼氏。あたしも好きな人くらい欲しい」


香菜美が珍しく愚痴っている。


「香菜美は良い人いないの?」


「う~ん……今のところいないなぁ」


教室に残っている男子たちをグルリと見回して、香菜美は言った。


香菜美は可愛いし、その気になれば彼氏くらいきっとすぐにできるだろう。


「香菜美に彼氏ができたら、ダブルデートできるのにね」


「ってことは? お試し期間はもう終わり?」


香菜美が目を輝かせてそう聞いて来た。
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