命令恋愛
勇気君みたいな真っ直ぐな子が相手だと、こちらまでペースが乱されてしまう。


「鎌田先輩、俺の彼女になってくれるの!?」


道端で大きな声でそう言う勇気君。


下校途中の生徒たちが何事かとあたしたちを見ている。


「ちょっと、声大きいよ」


「あ、ごめん。でも俺嬉しくて!」


そう言う勇気君はシッポをふって喜ぶ子犬みたいだ。


その仕草が可愛くて思わず笑ってしまった。


「今日からよろしくね?」


「こちらこそ!!」


勇気君はまた大きな声でそう言い、頭を下げたのだった。
< 107 / 316 >

この作品をシェア

pagetop