命令恋愛
☆☆☆

少し強引なキスを受けたあたしは、自室のベッドに寝転んでいた。


勇気君は自分からキスをしたくせに、耳まで真っ赤になって逃げるように帰って行ってしまった。


思い出してクスッと笑う。


本当に子犬みたいで可愛い子だ。


勇気君の笑顔を思い出すだけで胸の中が暖かくなる。


その時だった、勇気君からのメッセージが届いた。


《勇気君:さっきはいきなりでゴメン! どうしても、したくなって……》


申し訳なさそうに謝る顔文字がついている。


《優奈:あたしは平気だよ。気をつけて帰ってね》


あたしはそう返事をして、ふと⦅イケメンの言うとおり♪⦆のアイコンへ視線を向けた。


このゲームをどうしても攻略したくて援助交際までしてしまった。


そんなこと、絶対に勇気君に知られてはいけなかった。
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