命令恋愛
「チヒロとホテルに行ったの?」


「はぁ? 行くわけないだろ」


あたしの質問にカズマは大声で笑い出した。


あたしは拳を握りしめて怒りを抑え込む。


やっぱり、全部最初から仕組まれていたことだったんだ!


「さっき言ってた写真のことも、俺は知らない。ゲーセンから出てチヒロからお金をもらって、それでおしまいだ」


わざとブサイクな男を準備することで、あたしの援助交際のハードルを下げたに違いない。


そしてその時の写真を撮影したんだ!


「チヒロと喧嘩か?」


「別に、そんなんじゃない」


喧嘩なんて可愛いもんじゃない。


あの写真はあたしの人生を左右してしまうものだ。
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