命令恋愛
☆☆☆

すべてが順調に進んで行っているはずだった。


だけどそれはあまりにももろく、簡単に崩れ去ってしまうようなことばかりだったみたいだ。


落ち込んで教室へ戻ると、香菜美が待ってくれていた。


「話は終わった?」


「うん……」


「どうしたの? 顔色が悪いけど」


「ちょっとね……」


勇気君と別れたという事実が、胸に重たくのしかかって来る。


あの後勇気君に写真について聞いてみると、勇気君の机の中に1枚入れられていたそうだ。


他の生徒たちは見ていないし、誰にも言う気はないと言っていた。
< 125 / 316 >

この作品をシェア

pagetop