命令恋愛
「ほら、早く食べようよ。あたしお腹すいちゃった」


そう言って開けたお弁当箱を、京太が床に叩き落としていた。


プラスチックケースが床にたたきつけられる音。


ウインナーや卵焼きが散乱する。


「いい加減にしろよ!!」


京太の怒鳴り声に、教室中が静まり返った。


一瞬、頭の中が真っ白になった。


まさか本当に、京太はあたしのことが嫌いになってしまったのではないか?


そんな風に考えた。


でも、そんなことあるはずない。


京太があたしを嫌いだなんて……。


「なに照れてるの京太?」


あたしはニッコリ笑顔でそう聞いた。
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