命令恋愛
その後何度か削除を試みたけれど、やはり結果は同じ。


それから時間を潰して携帯電話ショップが開店すると同時に、あたしは店内へと入っていた。


昨日来たばかりだから、女性の店員があたしの顔を覚えてくれていたようで、すぐに近づいて来た。


「どうなさいましたか?」


「あの、ダウンロードしていないアプリが入ってたんです」


そう言い、スマホを見せる。


「申し訳ありません。こちら削除させていただきますね」


女性店員はそう言うが、やはりアプリは消えてくれない。


このスマホが代用機だから、あたしのスマホと全く同じ不具合が起きている考えにくかった。


女性店員は1度カウンターの奥へとひっこみ、男性店員に話しかけている。
< 147 / 316 >

この作品をシェア

pagetop