命令恋愛
今日もチヒロは休みかもしれない。


メッセージや電話をしても反応してくれないことは、もうわかっている。


無理して学校にきたのに、なにも収穫がないまま帰らなければならないかもしれない。


そう思うと、歯がゆい気持ちになった。


「でも、図書委員の彼ならいるんじゃない? チヒロと同じ苗字の」


「あっ! そうだよね?」


カズマはチヒロの行動に興味を持っていなさそうな雰囲気だった。


でも、従兄なのだから何か知っている可能性もある。


「図書室に行ってみる?」


香菜美にそう聞かれて、あたしは大きく頷いたのだった。
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