命令恋愛

☆☆☆

なんでなんでなんでなんでなんで?


昨日まであれほど仲よしだったじゃん。


お弁当も美味しいって言って食べてくれたじゃん。


なんで京太はあたしから逃げようとするの?


放課後になったあたしは一目散にA組へ向かった。


しかし、今日はA組の方が少し早く終わったようで、教室内を覗いてみても京太の姿はなかった。


「ねぇ、京太は? あたしの彼氏は?」


A組の名前も知らない子にそう声をかけたけれど、その子は怪訝そうな顔をして無視して行ってしまった。


こんな冷たいクラスメートに囲まれているから、京太があんな風になってしまったに決まっている。


本当は、まだあたしのことが好きなのに、かわいそうな京太……。
< 16 / 316 >

この作品をシェア

pagetop