命令恋愛

☆☆☆

チヒロはほとんどなにも教えてくれなかった。


ただ１つわかったことは、このゲームは消せないということ。


「イケメンの言うことに従うゲーム……」


昼休み時間、机に座ったままあたしはポツリと呟いた。


チヒロはそういう言い方をしていたけれど、今まで１度もそんなストーリーは出てきていなかった。


恭介とユウナは同じイベントを経験して仲良くなっている。


恭介がユウナになにか命令するようなこともなかった。


「なに考えてるの？」


香菜美がお弁当箱を片手に近づいてきて、そう言った。