命令恋愛
このゲームには意思がある。


そう言われてもなんとなく納得してしまいそうになる。


「どうして電源を切るんだよ」


お弁当を食べ終えると同時にそんな声が聞こえてきて、あたしは香菜美と視線を見交わせた。


「今の声って、またゲームの声?」


「まさか、そんな……」


そう言いながらも、恐る恐るスマホを取り出して机に置いた。


電源を消したはずのスマホが起動していて、画面上には恭介が映っていた。


「ひっ!」


小さく悲鳴をあげてスマホから視線を外す。


体中から血の気が引いて行って、自分が真っ青になっていくのがわかった。


こんなこと、あり得ない!
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