命令恋愛
☆☆☆

「あら、今日はどういう風の吹き回し?」


キッチンに立って料理をしているあたしを見て、母親が驚いたようにそう言った。


「別に。たまには作ろうかなって思っただけ」


お味噌汁を作り終えたあたしはようやく息を吐きだした。


玉子焼きにウインナーも焼いてある。


朝食ならこれくらいで大丈夫だろう。


スマホを確認してみると、思った通り恭介は上機嫌にほほ笑んでいる。


「まさか、また京太君に持って行くんじゃないでしょうね?」


安堵したのもつかの間、今度は母親に変な疑いをかけられてしまった。


「そんなことしないよ!」
< 180 / 316 >

この作品をシェア

pagetop