命令恋愛
恭介の声が心なしか低くなったように感じられた。


表情も険しくなっている。


どうしよう、言うことを聞かないと……!


そう思った次の瞬間だった。


耳元でバチンッバチンッと言う音が立て続けに聞こえて来たのだ。


「え……?」


なにが起こったのかわからずキョトンとした後、右耳に激しい痛みが走った。


「痛っ!!」


思わずそう声を上げて右耳を押さえ、うずくまる。


「鎌田さん? どうしたの?」


気が付いた先生がすぐに駆け寄って来た。


「耳が……」


そう言い、そっと自分の手を離した。


同時にボタボタと血が流れ出す。
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