命令恋愛
☆☆☆

それから1時間ほど経過した時だった。


あたしは小学生時代のアルバムと睨めっこをしていた。


幼稚園時代の記憶はさすがにそれほど残っていないけれど、小学生時代ならまだ思い出せることが多い。


クラスの1人1人の顔写真を見て、どんな子だったか、どんな声だったかを呼び起こして行く。


今でもつながりのある友人たちならすぐにわかるけれど、あまり会話をしたことのない子たちだとなかなか難しかった。


「恭介の声は誰の声に似てるんだろう……」


そう呟いてアルバムをめくったとき、「俺のために全裸写真を撮影してよ」と、声が聞こえて来た。


あたしは視線をアルバムからスマホへと移動する。
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