命令恋愛
☆☆☆

このゲームはプレイヤーにつきまとう。


決して逃れることはできない。


プレーヤーはキャラクターの命令をきかなければならない。


さもなくば……。


あたしはスマホを机に置き、ぼんやりと木製のカーテンレールを見つめていた。


再びスマホにゲームがダウンロードされてから、あたしは空き教室へ来ていた。


どうしてここにいるのか。


どうやってここまできたのか。


うまく思い出せない。


ただ、あたしの見つめる先のカーテンレールにはロープが結ばれていた。


あのロープはあたしが準備したものだった。


どうして準備したのか思い出せないまま、あたしは丸く結んであるロープの端に近づいた。


真下に椅子を置き、その上に立つ。
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