命令恋愛
画面にはこの学校内の地図が表示され、その中に赤い丸印がされている。


その印は、今あたしがいる教室だった。


「GPS機能」


「え……?」


「ゲームとセットになってる機能なの。あんたの居場所はすぐにわかる。誰もいない教室に長い時間いるから、なにしてるのかと思って身に来れば……くだらない」


チヒロは吐き捨てるようにそう言った。


あたしは混乱し、状況が飲み込めなかった。


「人を傷つけておいて、自分が傷つくとすぐに逃げようとする。典型的な弱者だよね」


「あたしは誰のことも傷つけてない!」


「……そっか、まだ気が付いてないんだ」


チヒロは呆れた声でそう言い、鼻で笑った。


「まぁいいや。あんたが死んだってあたしには関係ないし。好きにすれば?」


冷たい言葉に、我に返ったような気分だった。


あたしがここで自殺したってなにも解決しない。


両親や友達を傷つけて終わるだけだ。
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