命令恋愛
このゲームの真相も、チヒロの言っていることの意味もわからないままになってしまう。


あたしは首にかかっているロープを外して椅子を下りた。


「なに? やめたの?」


「ありがとうチヒロ。止めてくれたんだよね?」


そう聞くと、チヒロは眉間にシワを寄せた。


「なに言ってんの?」


「勝手に死ねばいいなら、声なんてかけなくてよかったでしょ?」


「知らない」


チヒロはムスッとした表情のまま、空き教室を出て行ってしまったのだった。
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