命令恋愛
少し威圧的な態度なのは昔からだった。


「達治は?」


千秋はすぐにあたしに視線を戻してそう聞いて来た。


「今は誰も暮らしてないみたいで……。千秋も達治に用があったの?」


そう聞くと、千秋は軽く舌打ちをした。


そして「見て来れ」と、スカートをたくし上げて白い太ももをあらわにしたのだ。


その太ももには無数の傷痕があり、カサブタになりはじめていた。


「それって……」


「ホッチキスの針が刺さったの。何十個もだよ!?」


千秋の言葉にあたしと香菜美は顔を見合わせた。


まさか、千秋にもあたしと同じことが起こってる!?


だから授業中の時間に関わらず、ここに来たのかもしれない。


あたしだってもう、勉強ところではなかったから。


「このゲームのせい?」


あたしは千秋にそう聞きながら、⦅イケメンの言うとおり♪⦆を起動して見せた。
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