命令恋愛
「これ! 優奈もやってたんだ?」


「うん。友達にダウンロードされてから……」


「その友達って、中下チヒロじゃないよね?」


千秋の言葉にあたしと香菜美は目をみかわせた。


「そうだよ。どうしてチヒロのことを知ってるの?」



千秋とあたしたちは違う学校に通っている。


「2年生に上がってかよく行くファミレスで頻繁に見かけるようになってさ、年齢も近いし、なんとなく話をするようになって仲良くなったの」


千秋はそう言って顔をしかめた。


まさかチヒロと千秋が友達になっていたなんて、考えもしなかった。


となると……。


「もしかして、達治イジメに関係してる子全員がこのゲームをダウンロードしてるとかじゃないよね?」


あたしは不安をそのまま口にした。
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