命令恋愛
「そういえばさ、一週間くらい前に達治に似た人を駅前で見たよ」


そう言ったのは美世だった。


イチゴパフェを食べながらそう言った美世にあたしは目を見開いた。


「えぇ!?」


千秋も驚いた声を上げている。


「声をかけたわけじゃないから、本人かどうかわからないけど」


「なんで早く言わないの!?」


雅美がそいう言うが、美世はマイペースに「だって、ゲームを達治が関係あるなんて思ってなかったもん」と、頬を膨らませた。


あれだけ怖いゲームをしているのに、美世は自分のペースを崩さない。


その図太さに少々呆れてしまった。


「すぐに駅に向かおうよ。まだ達治は駅を利用するかもしれないんだしさ」


雅美はそう言い、1番最初に席を立ったのだった。
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