命令恋愛
グループメッセージの画面を開いた時、美世からそんなメッセージが届いた。


「え……」


あたしは画面を見つめたまま茫然としてしまった。


弘子の死体?


《千秋:嘘。弘子、本当に死んだの?》


《雅美:河川敷ってどこ?》


美世は川の名前をメッセージで送ってくれた。


家からそう遠くない場所だ。


今から河川敷へ行ってもなにもないかもしれないのに、体が勝手に動いていた。


《香菜美:優奈、美世ちゃんからのメッセージ読んだ?》


あたしを手伝ってくれる香菜美も、同じグループメッセージに入っていた。


《優奈:うん。読んだ》


《香菜美:場所、近いね。行く?》


さすが香菜美だ。


あたしの考えを理解してくれている。


《優奈:もちろん》


あたしはそう返事をしたのだった。
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