命令恋愛
そこに立っていたのは１０代後半くらいの男の子２人だ。


１人は河川敷を指さして、興奮した様子だった。


「まじかよ。お前、見たのか？」


「あぁ。自分から深い場所に入って行ってそのまま溺れたんだ。手にはずっとスマホを持ってた」


そう話す男の子に背中がスッと寒くなって行くのを感じた。


弘子にはもっとヒドイ命令が出ているかもしれない。


そう話をしたのを思い出した。


もしそれが本当で、ゲームの命令に従うために川に入って行ったんだとしたら？


川に入りながらも身を切り裂かれるような罰を受けていたとしたら、弘子は自力で川から上がる事が出来なくなっていたかもしれない。


「優奈、あれ！」


なにかに気が付いたように香菜美が言い、河川敷へと続く階段を指さした。
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