命令恋愛
☆☆☆

両親から外出禁止命令を出されているあたしは、放課後になるとすぐ家に帰る必要があった。


家では母親が待っているから、寄り道をして帰ることもできない。


これじゃ京太を家まで見送ることもできないし、気分は憂鬱だった。


「ただいま……」


低い声でそう言って玄関を開けると、母親はすぐに飛んで出て来た。


随分とあたしの帰りを待っていたようだ。


「おかえり。すぐに着替えて、宿題をしなさい。それが終ったらお風呂掃除」


「えぇ!?」


「文句言わないの! そのくらいのことしてもらっても、罰は当たらないでしょ」


どうやら、帰宅後のスケジュールもしっかりと管理されてしまっているようだ。


これじゃどこかで抜け出して京太に会いに行くと言うのも、難しそうだ。


「わかったよ……」


あたしは渋々頷き、自分の部屋へ向かったのだった。
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