命令恋愛
「『両親』っていうのは、達治の両親かもしれない」


あたしはそう言い、真衣ちゃんから聞いた話を3人に説明した。


チヒロの両親は警察官だから、こんなことに関わるとは思えなかった。


「やっぱり達治か……」


美世が小さな声で呟いた。


達治に会えばなにかわかるだろうけれど、肝心の本人がどこにいるのかわからない。


「達治の両親って、小さいゲーム会社を立ち上げなかったっけ?」


不意に思い出したように雅美が言った。


「え?」


あたしは口を付けようとしたオレンジジュースから顔を上げて雅美を見る。


「昔のことだからよく覚えてないけど、小学校時代に噂でそんなことを聞いたことがある気がする」


「もしそれが本当なら、『両親』と『ゲーム』って言葉が繋がるね」


千秋が目を輝かせて言った。


確かに、その通りだ。
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