命令恋愛
「どうした? なにがあったんだ!?」


混乱した男性の声。


「助けて! このままじゃ死んじゃう!」


千秋が目に涙をためて叫ぶ。


雅美は両腕を高く伸ばし、必死に何かを掴もうともがいている。


それは見えないロ-プかもしれなかった。


「なんだよこれ、なにが起きてる!? おい! 誰か来てくれ!! 女の子が大変なんだ!」


会社内が騒々しくなる前に雅美は泡を吹き、完全に動きを止めていたのだった……。
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