命令恋愛
☆☆☆

宿題をしていても、予習をしていても、脳裏に過るのは京太の顔ばかりだった。


京太の笑顔も怒った顔も、拗ねた顔も眠そうな顔も、あたしは全部を見て来た。


付き合い始めたのはたった一か月前からだけど、それからずっとずっと、京太を見て来たのだ。


誰よりも近い場所で、ずっと一緒にいた。


「あ~あ、やっぱり勉強なんて無理」


なにをしていても京太の顔が浮かんできて、集中できなかった。


どうにか宿題だけはやっつけたので、あたしはスマホ片手にベッドに寝転んでいた。


京太に連絡を取ってみようか。


今なにしてるかな?


そう思って画面を確認した時、ゲームのアプリが視界に入った。


チヒロに進められてダウンロードして恋愛ゲームだけど、まだプレイを開始していなかった。


「そういえば1番最初に攻略すれば、モデルに会えるんだっけ……」
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