命令恋愛
どこまでも人を追い詰めるそれに吐き気を感じた時だった。


「ちゃんと見て! ゲームクリアなんだよ!」


と、千秋が叫んだ。


「え……?」


言われた通り美世のスマホを確認してみると、確かにゲームクリアの文字が出ている。


つまり、美世はこの命令を最後にキャラクターを攻略したことになるのだ。


あたしは息をすることも忘れて画面を見つめた。


《おめでとう!


あなたが一番最初のクリアだよ!


憧れのモデルに会いに行こう!》


画面上に出て来た文章にあたしと千秋は目を見交わせた。


これでこのゲームの関係者に会う事ができる。


そこから聞きだせることはきっと無限大にあるはずだ。


「行くしかないよね」


あたしがそう言うと、千秋は美世のスマホを自分の鞄に入れたのだった。
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