命令恋愛
「それに、カメラ機能もついている。いつでもどこでも、お前らの姿を見てたんだ」


そう言ってねばりつくような視線をあたしたちへなげかける達治。


あたしたちが苦しむ姿を楽しんでみていたなんて、趣味が悪すぎる!


「チヒロとはどういう関係?」


そう聞いたのは香菜美だった。


「これはこれは香菜美ちゃん。はじめまして達治です」


達治はよそ行きの笑顔を浮かべ、香菜美にそう言った。


「チヒロと俺は幼馴染だよ。チヒロは小学校2年生の頃転校して行ったけれど、ずっと文通をしてた。5年生になってからはどんな風にイジメられているのかも、事細かく報告をしていたよ」


チヒロと小学校2年生まで一緒の学校だったっけ?


昔の記憶すぎて、呼び起こす事ができない。


けれど、これで達治とチヒロの関係は結び付けられたのだ。
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