命令恋愛
「え、課金してるの?」


驚いている香菜美へ向けて「そうだよ?」と、首を傾げながら返事をする。


ゲームなんだから、時々は課金するに決まっている。


あたしは躊躇することなく、1万円をつぎ込んだ。


「課金しないって言ってなかった?」


「そうだけど、やっぱり課金しなきゃゲームの進みが遅いんだよね」


1番に攻略しないとモデル会うことができないんだから、課金するのは当然だった。


こうすることで余計な広告の表示もなくなるし、待ち時間もなくなるのだから。


「ねぇ、本当にそのゲーム大丈夫なの? 優奈にとっては中毒性があるんじゃない?」


「なに言ってるの? 香菜美はいつも心配し過ぎなんだよ。京太の時も今回もそう。まるであたしのお母さんみたい」


嫌味を交えてそう言うと香菜美は黙り込んでしまった。
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