命令恋愛
『京太の好きな人と同じ髪型にするよ? メークも、服も似せる』


あたしが相手の女の子になれば、なんにも問題はないはずだ。


それなのに京太はちっとも嬉しそうな顔をしてくれない。


『そういうんじゃないんだよ。どうしてわかってくれないんだ?』


『わかるってなにが? 京太の好きな子に似せるって言ってるんだよ? ここまでしてくれる彼女、普通いないよ?』


そう言う自分の声が大きくなってしまい、気が付けば公園にいた子供たちの声はなくなっていた。


ガランとした公園は寒々しい。


でも、これで京太とちゃんと話ができる。


『好きな相手ができたワケじゃないんだ。優奈の、そういうところに疲れたんだよ』


京太の言葉にあたしは首を傾げた。
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