命令恋愛
二度目
放課後になるのを待って、あたしはチヒロのいるＢ組へと急いだ。


先にＡ組のホームルームが終ったようで、出て来た生徒たちがあたしを見てコソコソとなにか話しているのが聞こえて来た。


「奴隷」とか「京太のストーカー」と言った言葉だけ聞こえて来る。


けれど、そんなこと気にならなかった。


今のあたしの頭の中は恭介のことで一杯だ。


元カレの京太が入るスペースはもうない。


２、３分ほど廊下で待っていると、ようやくチヒロが教室から出て来た。


「お待たせ」


そう言ってあたしに駆け寄って来る。


まだ外出禁止命令は出ていたけれど、今日は放課後に学年集会があると嘘をついていた。


「じゃ、行こうか」


「うん」


あたしはチヒロについて歩き出したのだった。
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